頂き物―『中東』『伊藤博文』『日本近代史研究余録』『同盟の相剋』

 最近、すっかり頂きっぱなしになってしまっていました。すみません。
 chuto-kikinoshingen.jpg 池内恵『中東―危機の震源を読む』(新潮社、2009年)
 著者の池内先生より頂きました。ありがとうございます。そして、サントリー学芸賞受賞、おめでとうございます!!
<出版社のサイトより>
 誰も論じなかったイスラーム問題の核心とは?
 オバマはイスラームと西洋近代の衝突を避けられるか? ジハード思想とテロの関係は? ドバイ経済は崩壊するか? パレスチナ、イラク、イラン……次々と火を噴く「危機」の深層を、最新情勢から歴史的背景まで掘り下げて解説する。注目の国際政治学者による、イスラーム世界と中東政治の行方を見通すための必読書。
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 itouhirobumi.gif 伊藤之雄『伊藤博文―近代日本を創った男』(講談社、2009年)
 著者の伊藤先生から頂きました。ありがとうございます。あまりにもの存在感ゆえか、伝記が多く刊行されている近年でもなかなか出ていなかった伊藤。愛犬に俊輔と名付けるほど彼に入れ込んできた伊藤先生が書いた一冊。
<出版社サイトより> 
没後100年!真の改革者とは何か?
倒幕、廃藩置県、岩倉使節団、西南戦争、初代内閣総理大臣、条約改正、日清戦争、日露戦争、初代韓国統監、そして暗殺――「憲法政治」実現に懸けた全生涯!
講談社創業100周年記念出版
 伊藤の憤りは、イギリス風の憲法を理想とする大隈重信や福沢諭吉、民権派も、ドイツ風を目指す岩倉具視や法制官僚の井上毅ですら、大隈が2年後の国会開設を唱えていたように、憲法が簡単にできると思っていたことだった。伊藤は、憲法の条文を作るだけではなく、それを機能させるためには、国民意識の成熟、官僚制・教育制度・地方制度など様々な改革が、同時に必要であると考えた。(中略)日本の歴史と伝統を背負った天皇にどのような役割を与えるかも、注意深く検討する必要があった。
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 4902119080.jpg 柴田紳一『日本近代史研究余録』(渡辺出版、2009年)
 著者の柴田先生から頂きました。ありがとうございます。柴田先生が、人物・史料・書物・読書に関して著わしてきた記事、対談をまとめられたもの。これだけまとめて読めるのは、とてもありがたい。
 以下、目次から。
 第1部 人物篇
  吉田茂は「新英米派」だった?
  吉田茂の「国士去後気如秋」について
  吉田茂の涙
  「大谷隼人」は石川信吾のペンネームか
  大川周明と「支那事変」
  近衛文麿別邸「虎山荘」偶感
  二人の「平民宰相」
  東郷茂徳
  杉山元
  石川岩吉
  藤波言忠・高崎正風・徳大寺実則
 第2部 史料を通じて
  日本近代史の史料をめぐって
  「三笠宮文書」読売スクープの幻
  発見! 昭和天皇が学んだ帝王学教科書
  皇帝溥儀と石原莞爾・甘粕正彦
  松尾伝蔵唯一の書翰
  吉田茂内閣発足時の鳩山一郎書翰
  石川岩吉先生と牧野伸顕伯爵との往復書簡
  「不磨ノ大典」明治憲法とその注釈書「義解」
  三上参次博士逸事考
  「君側の奸」ということ
  「明治四十八年」?
  談話史料の危険性
  新史料スクープ競争は不毛だ
 第3部 書物と読書
  吉田茂の読書
  山県有朋・石原莞爾・東郷茂徳の読書
  諸宰相の読書を採点する
  古書のこと
  日記の中の生きた歴史
  解説・吉田茂『回想十年』第一巻
  解説・宮澤喜一『東京―ワシントンの密談』
  解説・岡崎勝男『戦後二十年の遍歴』
  『諸君!』近現代良書
  『日本歴史』読書アンケート
  『日本歴史』歴史小説アンケート
  『日本歴史』展示図録アンケート
  紹介・岩浪由布子『祖父東条英機「一切語るなかれ」』
  紹介・瀬島龍三『幾山河』
  紹介・ロバート・ワイマント『ゾルゲ 引き裂かれたスパイ』
  紹介・徳川義寛・岩井克己『侍従長の遺言』
  紹介・萩原延寿『陸奥宗光』
  紹介・小倉和男『吉田茂の自問』
  紹介・浅見雅男『皇族誕生』
  『読書人』中公文庫のこと
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 doumeinosoukoku.jpg 水本義彦『同盟の相剋―戦後インドシナ紛争をめぐる英米関係』(千倉書房、2009年)
 担当編集者・神谷竜介さんから頂きました。ありがとうございます。同社の叢書「21世紀の国際環境と日本」の第1号。対象時期はWW2後、ベトナム戦争まで。
<出版社サイトより>
 真の同盟関係には共に武器を取るばかりではなく、不和のなかでも関係を維持する覚悟が求められる。
 目次
  序 章 本書の目的と構成
  第1章 戦後インドシナ関与の原点
  第2章 ラオス内戦
  第3章 ジュネーブ会議とラオス中立化
  第4章 南ベトナムへの関与
  第5章 インドシナ問題とマレーシア紛争の連関
  第6章 ベトナム平和工作の展開
  第7章 ベトナム平和工作の挫折
  終 章 戦後インドシナ紛争と英米同盟