(開催校となった南開大学。周恩来の出身校です)
中国・天津で開かれた第2回東アジア日本研究者協議会(EACJS)に参加しました。
(300人近い研究者が集まりました。まだ開会前の写真ですが)
日本、中国、韓国、台湾を中心に、28の日本研究機関によるパネル、9の個別ペーパーパネル、9の次世代パネルが実施される賑やかさ。私たちのパネルは初日の第1セッションに置いていただき、30人ほどの方にお越し頂きました。
セッション1 政党政治と官僚の専門性
司会 清水唯一朗(慶應義塾大学)
発表者
若月剛史(関西大学) 戦前日本の政治と官僚の専門性
萩原淳(京都大学) 昭和戦前期の司法官僚と軍部
清水唯一朗 政治主導と官僚主導の歴史的構造分析
討論者
白智立(北京大学)
金宗植(亜洲大学校、討論ペーパーでの参加)
中国における日本官僚制研究の第一人者である白先生、官僚制の歴史にきわめて詳しい金先生の討論をいただき、充実したセッションでした。
素晴らしかったのは3日目朝の政治史パネル(個別ペーパー)。真辺将之さんの明治14年政変再考、久保田裕次さんの西原借款の再検討、久野洋さんの選挙地盤研究、岡崎まゆみさんの植民地法制の実証研究、劉軒先生の明治維新試論と、日本でもまず見られない豪華なセッション。日本における日本研究の現在を感じられる見事なパネルでした。
(初日、2日目はスモッグで覆われていました)
開会式では、開催校の南開大学長から日中の歴史和解について、同校の卒業生である周恩来のことばを引きながら式辞がありました。より深い交流ができた、素敵な3日間でした。惜しむらくは、同じ国の方だけで組まれたセッションが大半であったことです。前回は二カ国以上というルールがあったのですが、今回はCFPが遅かったためでしょうか、そうしたルールはありませんでした。来年は日本(日文研)での開催のようなので、ここはぜひご検討頂きたいと思う部分でした。
天津といえば、日本近代史と極めて縁の深い街。天津条約、日本租界、北清事変、袁世凱と吉野作造、溥儀、周恩来、、、終了後は、政治史パネルのメンバーと、溥儀が愛したというレストランにて議論の延長戦を楽しみました。来年も楽しみです。
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