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日本人の飲酒について

1990年に日本人が飲んだアルコール飲料を、ビールも日本酒もウィスキーも全て 合わせると、約930万リットルにもなる。日本のアルコール消費量は、 1952年には83万キロリットルであった。つまりこの40年弱の間に 11倍以上に増えたことになる。2000年以上になる日本人と酒のつき合いの歴史で、 これほどのアルコール飲料が大量に作られて、日常的に誰もが飲む時代は、 はじめてのことである。

ところで、酒の消費が増えると、それだけ税収も増える。1990年の酒税は 約2兆円。所得税、法人税、消費税、相続贈与税に次ぐ第5位の税収である。 要するに国民が飲めば飲むほど国庫は潤うことになる。ところが、アメリカの 学者達の計算によると、飲酒がらみの事故、犯罪、病気などが国に及ぼす損害額は、 アメリカでは酒税による収入10倍以上だという。

アルコール問題は今、貧しい国でも富んだ国でも大きな社会問題になっている。 アルコール飲料を社会から排除するのではなく、害を予防しつつ、賢く付き合って いく解決策を世界中の国々が求めている。


Atsushi Kusano
Thu May 8 15:35:48 JST 1997