何故ガソリンの価格は高いのかという疑問から始まった私たちのリサーチから、
現在の石油業界における様々な問題が見えてきました。つまり、不当に高い税
や、政府による護送船団方式によって合理化の進まない企業体質などです。最近
では、それらの問題を打破するため規制緩和の一貫として、ガソリンスタンドの
セルフサービス化が検討されています。しかし安全面などの問題から、遅々として
進んでいません。真に消費者のためのガソリン価格を獲得するためには、石油
業界においてどのような規制緩和,撤廃が望ましいのでしょうか?そこで、政府
による望ましい規制緩和を、私たちなりに提言してみたいと思います。
まず、 第一に価格体系の是正を提言致します。かつて政府によって設定された
価格体系は、工業用石油製品の価格を抑え、その分ガソリンなどの日常品に
しわ寄せするというものでした。この体系は産業の成長に寄与するとともに、
かつて贅沢品であったガソリンの価格を高く設定することによって、その消費
量を抑制する効果もありました。しかし、ガソリンも生活必需品となった現在では、
消費抑制の効果も薄く、ただ消費者に対して不当な負担をかけているだけとしか
思われません。そこで、従来の価格体系を廃止し、競争やそれによる企業努力に
よって可能な限り価格が下がるように取り計らうべきであります。
第二に税の削減を提言致します。現在、石油諸税の大部分は道路整備のために
使われています。これは受益者負担の原則に基づくものであり、それ自体は
妥当であると考えます。しかし本当に私達の払う税が、道路整備のために
効果的に使われているのでしょうか?官庁は、ただ単に税を使い果たすために、
需要の少ないところにまで道路をつくることもあるといわれています。これは
消費者に対する不当な搾取とも感じられます。そこで、石油諸税の使途を再度
見直し、可能な限り税のスリム化をするべきと考えます。
第三に備蓄義務の軽減を提言致します。先にも述べた通り、現在の備蓄義務は
新規参入の障害となっています。また、既存の企業にとっても備蓄にかかる
コストは並並ならぬものであります。そこで、備蓄義務を軽減するべきと
考えます。しかし、この提言には、石油の安定供給を理由とした反対の声が
挙がると思われます。しかしながら、備蓄義務軽減によって新規が参入すれば、
全体として企業の数は増加すると思われます。そうすれば、一企業あたりの
備蓄量は減少しても、全体としては増えると考えられます。したがって、
石油の安定供給も確保されると思われます。義務の緩和によって、新規が
参入し、競争が導入され、先ほど述べた無駄の多い流通構造の合理化も
進むと思われます。
以上三つの提言を致しました。規制緩和などの変革が速やかに行なわれ、 真に消費者の視点にたったシステムが、石油業界のみならず、日本社会に も誕生することを私達は渇望致します。以上を持って、私達の提言を終ります。