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選挙の分析

投票率は48%という1924年以来の最低であったが、民主党大統領としてはF・ ルーズベルト以来の再選。 クリントンの得票率は49%と過半数獲得に失敗し た。(1916年のウィルソン以来)

ドールの得票率は41%。

得票率においては両者はかなり接近している。但し、ウィナーテイクスオール 制度によって州別の獲得選挙人の数は、大きく差がつき、クリントンは31州で 勝利。特に北東部や中西部の工業地帯で圧勝した。選挙人の獲得数はクリント ン379人、ドール159人。

☆投票の内訳

クリントンへの投票の社会集団
女性(54%)、黒人(84%)、ヒスパニック(72%)、リベラル派(78%)、 穏健派(57%)、民主党支持者(84%)、低所得層(59%)、労組世帯(58%)、 18ー29歳(53%)

☆女性

全投票者の52%を占め、その内の54%をクリントンが獲得した。ドールは38% と大きく引き離されている。女性票ではドールの中絶問題に対する保守性によっ て女性から圧倒的に”不人気”である。

☆穏健派

つまり中間的な層がクリントンの中道化路線によって57%クリントンに投票し ていて、ドールには35%しか投票していない。この集団は同じ中道化路線をとっ ている候補ならば経済が好調な現職を代える必要性を感じていないからであろ う。

☆民主党支持者

自党(39%)内において84%の票を獲得した。70年代以降の民主党大統領候補 が獲得した票としてはもっとも高い数字である。民主党のクリントン化という ことがいえるのではないか。

(松下政経塾:横江公美)

☆経済階層

年収3万〜5万ドルの中下層(27%)の得票率を42から49%にのばしただけでな く、5万〜7万5000ドルの層(39%)からの得票も41から47%に拡大し、ドール にそれぞれ9%、3%の差を付けている。



Shuichi Shibukawa
Thu May 8 12:52:18 JST 1997