井庭崇 担当科目 (2004年度)
「探索的モデリング」
大学:慶應義塾大学SFC
分類:学部・大学院対象 / クラスター-共通基盤-ナレッジスキル科目(学部), 研究領域科目−共通基盤科目(大学院)
担当:井庭 崇 (iba@sfc.keio.ac.jp)
開講:秋学期
時限:金曜1限
教室:ε22
単位:2単位
授業形態:講義, 演習/実習
ゲストスピーカー:2回予定
学生が利用する予定機材・ソフト等:ノート型パソコン
使用ソフトウェア:ベイジアンネット構築システム「BayoNet」※
※ SFCではキャンパスライセンスを取得しているため、各自が購入する必要はありません。
【講義案内】
近年、不確実性を伴う現象に対し、確率的な推論を行うモデリング手法が注目を浴びています。そのなかでも、本講義では「ベイジアンネットワーク」と「隠れマルコフモデル」を取り上げます。
「ベイジアンネットワーク」は、定性的な因果関係のネットワークと定量的な確率が組み合わさったモデルで、事象の結果から原因を推定できるという特徴があります。このモデルは、機械学習、データマイニング、ユーザーモデリング、ロボティクス、ゲノム解析、医療診断、故障診断、意思決定支援システムなど、幅広い分野に応用されています。
「隠れマルコフモデル」は、事象の発生過程を状態遷移ネットワークを用いて統計的に予測するモデルで、観測可能なデータからその現象の背後にある隠れた構造を推定することができます。このモデルは、最も成功をおさめた音声認識の他に、ゲノム解析や顔の認識研究などに応用されています。
本講義では、これらの先端的な手法の基本的な考え方と、さまざまな分野での応用事例を紹介します。最終的な目標としては、実際に自分の問題領域で利用できるようになることを目指します。
(C) 2004, Takashi Iba