『10+1 web site』に論文を書きました
2009.09.30 Wednesday 09:37
井庭 崇
建築系のオンライン雑誌『10+1 web site』に論文を書きました。
「自生的秩序の形成のための《メディア》デザイン──パターン・ランゲージは何をどのように支援するのか?」(井庭 崇)
image[TenPlusOne2009Sep.jpg]
今回の論文は、僕らのつくった「学習パターン」(Learning Patterns)の話から、教育と建築における問題の共通性について、そして自生的秩序の形成についての話から始まります。そのうえで、自生的秩序の形成を支援するメディアとして、パターン・ランゲージを取り上げ、それがどのように秩序形成に寄与するのかを考察していきます。
社会と思考の自生的秩序については、ニクラス・ルーマンの社会システム理論にもとづいて考察します。そして、創造における自生的秩序については、現在僕が構想中の「創造システム理論」(Creative Systems Theory)にもとづいて考えます。自分が今構想している最中の理論によって考察するということで、とても大胆かつチャレンジングな試みです(笑)。
創造システム理論というのは、創造のプロセスをオートポイエーシスの概念で捉えるというものです。つまり、創造は、心理的ななにかではなく、ひとつのオートポイエティックなシステムだ、と捉えるわけです。ルーマンが、「社会」を主体から離して定義したように、僕は「創造」を主体から離して定義します。心理学や認知科学の観点からの研究が多い「創造性」(クリエイティビティ)研究のなかではかなりラディカルな理論だと言えるでしょう。分量の制限や文脈の制約で、まだ理論の一部しか示せていませんが、創造システム理論について書くのは初めてなので、この部分はひとつの目玉です。
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