モバイル時代の英語力強化法:日本にいながらの環境構築(2)

2010.11.10 Wednesday 20:38
井庭 崇



1 . 3 ライティング

そして、ライティング。向こうでも英語で論文を書くことになるわけだが、これはこれで苦労した。もちろん、いままでも英語で論文を書いた経験はあるが、以前にも増してきちんとした英語で書きたい、説得的で魅力的な文章を書きたい、という思いが強くなったため、苦戦することになった。特に昨年は、自分にとって新しい分野の論文を書くことにしたため、その分野の本や論文を徹底的に読み、言い回しを勉強しながら書く必要があった。分野/テーマが変われば、そこでの特有の言葉遣いや言い回しを身につけなければ、説得性や魅力を出すことはできないだろう。振り返ると、この遠回りはかなり重要であり、それがその後の研究自体をもドライブしたと思われる。書くことは考えることであり、書くスタイルは、考えるスタイルにもつながるのだ。これは重要な気づきであった。

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1 . 4 リーディング

米国滞在中は、本や論文は英語で読んでいた。内容を学ぶために読むこともあれば、表現を学ぶために読むことも多かった。すでに書いてきたように、スピーキングにしてもライティングにしても、言い回しが身についていないのは、これまで英語で読む量が圧倒的に少なかったからである。結局のところ、書籍については、日本では多くのものが翻訳されているので、それらを読むことで事足りてしまう。論文も、内容がわかればいいという感じで、アブストラクトや重要部分を中心につまみ食いしながら読みがちである。また、そのとき、何に注目して読んでいるかというと、ほとんどの場合内容の方であり、表現の方にはあまり意識がいってなかったように思う。文章の表現を意識的にみるということをしないと、表現のストックはたまらないのである。

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