モバイル時代の英語力強化法:日本にいながらの環境構築(3)

2010.11.12 Friday 01:27
井庭 崇


2. 日本にいながら英語力を高める方法

さて、ここまでの話を踏まえて、「だから外国にいくことが大切です」という結論に達するのでは、あまりにも面白くないだろう。たしかにひと昔前までは、実際に現地に何年か住まないと身につかない、というのはひとつの真実だったのかもしれない。しかし、ここでは、それとは違う方向性を探求したい。「日本にいながらどうやって英語力を伸ばすのか」を考えたいのである。

この「日本にいながら」ということが現実味を帯びてきたのは、情報技術の発展のおかげである。インターネット経由で海外の情報・コンテンツが容易に、かつ安価に入手できるようになった。また、モバイル機器の登場によって、自分の身の回りに「パーソナルな環境」をつくり、持ち運ぶことができるようになった。これらを最大限に活用することで、日本で生活しながら海外にいるような環境をヴァーチャルに(実質的に、事実上そうであるように)つくり上げることはできないだろうか。その具体的な方法について考えてみたいのである。以下では、私の試行錯誤の経験から、具体的な方法を紹介することにしたい(これらは私自身が今も行っているものである)。


2 . 1 「言語のシャワー」を浴びる環境をつくる

日本にいながら英語力を高める第一方法は、「音としての英語」に絶えず触れることができる環境を構築することである。これは、現地で授業や講演を聴いたり、カフェで周りの人たちのおしゃべりを聴いたりするということと同じ状況を、ヴァーチャルに構築するということである。自分が興味ある分野・内容の音声/映像コンテンツを、iPodやiPad 等のモバイル機器に入れておけば、どこでも英語に触れることができるパーソナルな環境が出来上がる。この「言語のシャワー」をじゃぶじゃぶに浴びるための環境が、現地で英語を聴く機会が多いということの代わりをしてくれる。そのような環境を構築する要素として、ここでは、オーディオブック、講演映像、授業映像、テレビ映像、ラジオ音声を取り上げたい。

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