モバイル時代の英語力強化法:日本にいながらの環境構築(4)

2010.11.15 Monday 11:31
井庭 崇


2 . 2 表現のストックをため込む/使う

日本にいながら英語力を高める第二の方法は、表現のストックをため込んでいくことである。(1)表現を学ぶための読書を行うこと、(2)適切な言葉の選び方を学ぶこと、(3)より適した表現を模索しながら書くこと、によって表現のストックを充実させていくのである。


(1)表現を学ぶための読書

英語での表現を学ぶための読書では、自分の専門に近い分野の一般書/専門書などを、片っ端から読んでいく。この目的のためには、普通の読書とは異なり、なるべく知っていることが多く書かれている本を選ぶとよい。

このとき、最初から最後まですべてを読むのではなく、自分が学びたい言い回しがありそうな章/部分だけを「つまみ食い」して読む。私自身の経験でいうと、昨年から今年にかけて、A.-L. Barabasi の『Linked』image[] [7] を何度も何度も読んだ。この本からは、専門的な言葉づかいを学ぶだけでなく、ワクワクするような表現も多く学ぶことができた。どの分野でも、一般啓蒙書では難しい考え方が、わかりやすくかつ魅力的に記述されていることが多いので、表現を学ぶための読書に適している。

日頃から私は本を読む時に、重要箇所に線を引きながら読んでいるが、「表現を学ぶ」ための読書においても、使いたい言い回しや真似したい表現に線を引きながら読んでいる。線を引くのは、消しゴム付き鉛筆がおすすめ。濃さに強弱がつけられるし、うまく書けなかったときには引き直すことができる。

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