モバイル時代の英語力強化法:日本にいながらの環境構築(4)

2010.11.15 Monday 11:31
井庭 崇



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ある程度読み進めたら、それまでに引いた線の部分だけを読み返し、そのなかで「やはり重要だ」と思う表現を、ノートに書き写す。自分なりの「表現のストック」をためていくのである。

私は、ノートには MOLESKINE(モレスキン)の横経線のハードカバーのものを使っている。「表現がストックとしてしっかり残っている」と感じることができることが大切だと考えたからだ。このノートなら、なるべくきれいな字で書こうと思えるし、書き込みが増えて行くと、なかなか気分がいい。ノートに書き込むのには、持ちやすいグリップで長時間書いても疲れにくいボールペンを使っている。

真似をしたい表現を、紙のノートに書き写すというのは、いたって身体的な経験だ。ノートに言葉を刻み込んで行くという感覚。ノートとペンにちょっとこだわるだけで、その行為が少し特別な存在になる。そうなればしめたもので、本来は修行のような作業かもしれないが、やる気を維持しながら取り組み続けることができる(表現のストックがたまったことを本当に実感できるのは、その表現を実際に使うことができた時なのだが、そのような幸せな瞬間は、すぐに訪れるわけではない)。

以前は、ストックした表現を検索できるのがいいだろうと考え、コンピュータに打ち込んでいた。しかし、この5年ほどの経験では、結局検索なんてほとんどしなかったし、ストックをためているという実感が伴わないので楽しくない。また、1日中仕事でパソコンに向かっている私の生活においては、ノートに手書きで書くという方が、身体的に異なる行為であるため、モードの切り替えがうまくできる。そんなわけで、最近はノートに手書きで表現のストックをためるようにしている。

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