竹中平蔵×井庭崇 対談:「政策言語」の提案とプロトタイピング(3)

2010.12.03 Friday 23:11
井庭 崇



そういう状況において、政治家が発言した言葉の全体や細部、意味やニュアンスなどを、僕らは本当には知らないまま、彼らへの印象や意見をもつことになってしまっている。これでは、政治に対してまっとうな評価などできないのではないか。【Problem】

そこで、政治家からの言葉を直接受け取れるようなメディア/場を設けるべきだと考えた。マスメディアを通さずに、直接に僕らに届くような、政治的コミュニケーションの新しいカタチ。こうすることで、政治に対する認識や関心を、取り戻すことができるのではないか。【Solution】

(その具体的なアイデアが、「内閣メールマガジン」と「タウンミーティング」ということである。)


2. 向こうからこちらに

それでは、「政治的コミュニケーションの新しいカタチ」を、どのように実現すればよいのだろうか? 当時、ブレア首相が政策についての自らの意見をホームページに書いているということで、話題になっていた。これも、首相の言葉が直接的に届く、政治的コミュニケーションのカタチだろう。【Context】

しかし、日本の場合は、そもそも政治への関心が薄まっているわけで、自分からわざわざホームページを見に行くというような積極性を期待することはできない。それではどうしたらよいのだろうか?【Problem】

「こちらから向こうに行く」のではなく、「向こうからこちらに来る」ような仕組みは実現できないだろうか。ITの言葉でいうならば、ユーザーが情報を取りに行くという「プル型」ではなく、向こうから情報が送られてくる「プッシュ型」の仕組みをつくる、ということである。こちらが向こうの世界に入って行くのではなく、向こうがこちらの世界に入ってくる。そうすることで、日常世界のなかに「政治」が視野に入ってきやすくなるだろう。【Solution】

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