竹中平蔵×井庭崇 対談:「政策言語」の提案とプロトタイピング(3)

2010.12.03 Friday 23:11
井庭 崇



(このとき、企業などがユーザーに配信し始めていた「メールマガジン」というメディアを使うとよいのではないか、と考えた。今となっては、メールマガジンは新しくともなんともないが、2001年当時は、まさに「IT」(情報技術)に注目が集まり、ビジネス/生活の世界にどんどん拡大・普及している時代であった。ちょうど「IT立国」というような旗を掲げていたこともあり、ITを新しいカタチで使うというのは理にかなっている。「内閣メールマガジン」はこのような発想で生まれたのだ。)

以上のアイデアを、当時、大臣であった竹中先生に出し、それが間もなく実現することになった。僕自身は、アイデアを出しただけで、実装・運営等には関わってはいないのだけれども。(個人的には、メールマガジンの雰囲気が思ったよりもカタかったことと、タウンミーティングでヤラセ問題が出てきたりしたことが、少々残念ではある。)

まとめると、次の3つのパターンが合わさって、「内閣メールマガジン」と「タウンミーティング」のアイデアが生まれたといえるだろう。

1. コミュニケーションの新しいカタチ
2. 向こうからこちらに
3. 新しいメディアによる実現

僕がみるところでは、実は、鳩山由紀夫 元首相は、この「1. コミュニケーションの新しいカタチ」、「2. 向こうからこちらに」、「3. 新しいメディアによる実現」を、 twitter でやろうとしたのではないか。メールマガジンはもはや新しいメディアではなく、別の新しいメディアが必要であったし、それだけでなく、「新しい公共」を掲げる鳩山さんだからこそ、本来は twitter というメディアとの親和性も高かったはずだ。残念ながら、twitterらしいメディアの活用はなされなかったけれども。

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