SFC授業「複雑系の数理」(2011 秋学期)シラバス

2011.09.01 Thursday 23:57
井庭 崇


「複雑系の数理」(2011年度秋学期)@慶應義塾大学SFC
開講:火曜日2時限
担当:井庭 崇

■ 主題と目標/授業の手法など

科学は世界の仕組みを明らかにし、芸術は新たな世界をつくりだす。この二つの「世界との関わり方」が出会うとき、何が起きるだろうか。この授業では、生命・知能・社会を研究する「複雑系科学」(the science of complexity / complex systems)の探究で得られた概念/理論/世界観を用いて、自分なりにひとつの「世界」を構築することに挑戦する。言うなれば、"Complexity-Inspired Art and Design" である。

ここでのキーワードは、「生成的」(generative)というコトバである。それは、動的な発展・展開、状況に応じた反応、そして、収束することなしに変化し続ける、ということを意味している。そのような「生成的」な世界を表現・構築する。近年話題となっている ジェネレーティブ・アート(Generative Art)や アルゴリズミック・デザイン(Algorithmic Design)の活動・分野とも近い。

授業の進め方も、出来る限り「生成的」なかたちでいきたいと考えている。一方的に知識を伝達するのではなく、逆に、参加者の作品をレビューするだけでもない。授業の各回が、その場でしか生成し得ないような「一回性」を含むようにつくっていきたい。具体的には、ジェネレーティブ・アートや複雑系の分野で活動・活躍されている方々をゲストとお呼びし、その場かぎりの対話を重ねていくといった具合である。もちろん、参加者の側も生成的であることが期待されている。

最後にひとつ、注意点というか、補足を。「複雑系の数理」という授業名からもわかるように、この授業では多少の数式を扱う。また、コンピュータ上に「世界」を表現する方法として、簡単なプログラミングも行う。だからといって、恐れることはない。大切なのは、むしろ、概念/理論/世界観をひとつの世界として表現するというパッション(情熱)であり、自ら飛躍できるイマジネーション(想像力)である。いろいろなタイプの参加者が来てくれることを期待します。

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