KJ法のコツ(パターン・マイニングのための収束思考)

2012.05.10 Thursday 10:45
井庭 崇



複数人でKJ法をやる場合には、他の人に、どの付箋とどの付箋がどういう意味で近いと思うのか、を表明し、話し合う。このことで、付箋の意味の再確認ができ、かつ、全員が付箋間の距離についてのイメージが、少しずつわかってくるようになる。

image[cpp-kj2.jpg]


パターン・マイニングのKJ法では、ひとつの付箋にはひとつのこだわりが書かれているので、付箋間の距離はこだわり間の距離ということになる。だから、付箋と付箋を近づけるというのは、こだわりとこだわりが近いということを確認するということ。

image[KJ0.jpg]


KJ法をやるときに、一番気をつけなければならないのは、既存の枠組みに当てはめて配置するのではだめだということ。つい、「○○系」とか「○○的」と言って近づけたくなるのだけど、この言葉が出たら危険。当てはめる枠組みを想定して、そこれに所属させようとしている証拠。

KJ法の最初の段階(最初と言ってもここが一番ながい)では、まとまりは見ず、あくまでも二つの付箋の近さという観点で考える。すでに近づけたAとBにCを近づけるときには、Cと「AとBのまとまり」との距離を考えるのではなく、「CとA」の距離と「CとB」の距離を考える。

image[KJ1.jpg]


この「二者間の距離を積み上げていく」意識はとても重要。これを強く意識してやらないと、あっという間に、形成しつつあるまとまりに、他の付箋を吸着する作業になってしまう。これでは、真に「付箋(こだわり)間の距離」を考えることにはならず、KJ法としては失敗となる。

[7] << [9] >>
-
-


<< コラボレーション・パターン プロジェクト活動映像#1
第二言語によるライティング・パターン >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.20R]