2012.08.27 Monday 14:22
井庭 崇
今日世界中にある住宅生産のシステムを考察してみると、そのほとんどに、人間社会に必要な二つの基本的な認識が欠落していることに気づきます。
[ひとつは、すべての家族、すべての人間は唯一無二であるという認識であり、人間の尊厳を表し守っていくにはこの独自性が表現されなくてはならないということです。もうひとつは、すべての家族、すべての人々は社会の一部分であり、他の人々と協力するという結びつき、つまり社会の中での他の人との信頼関係を保てる場が必要だという認識です。]
この二つの相補的な認識は、今日の住宅からはすっかり失われています。住宅は機械のように均質で判で押したようになり、様々な家族の個性を全く表現できていません。それは個性を抑圧し、家族にとっての素晴らしいもの、特別なものをすべて抑え込もうとしています。さらに、住宅は身近な地域コミュニティの基盤を人々に与えることにも失敗しています。(p.29)
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