パターン・ランゲージの全体像をつくるときの(密かな)こだわり

2013.02.13 Wednesday 20:52
井庭 崇


パターン・ランゲージ制作の後半では、どのように全体像をつくるのか、これまであまり語ることがなかったので、ここで書いておきたいと思う。

全体像をつくるというのは、実は単なるボトムアップではなく、部分→全体、全体→部分を行ったり来たりしながら構造化していく。

そのときに、僕のなかにいくつかの方針(制約)があって、チューニングしながらつくるのである。

その方針(制約)の第一は、「3つ」でまとめるということ。全体を3つに分ける。個々のパターンも3パターンでひとまとまりとする、など。ラーニング・パターンも、プレゼンテーション・パターンも、コラボレーション・パターンもすべて「3」でまとめている。

方針の第二は、中心(No.0)をつくる、ということ。パターン・ランゲージにNo.0をつくっているのは、実は僕らぐらいのもので、これにはこだわりがある。このパターン・ランゲージの中心に位置するもの(センター)は、このランゲージのなかにあるべきだと考えている。外ではなく内に持ちたい。

方針の第三は、パターンの順序。僕らはパターンにあえてシーケンシャルな番号をつけている。その順に冊子に収録されることになる。なので、前から読んで違和感がなく、理解しやすいような順番性を考える。しかも、各まとまりのなかで重要なものが先に来るようにし、オプショナルなものは後にしている。

こういう観点から、パターン・ランゲージの体系をつくり込んでいく。もちろん、単純な線形的なプロセスでは進まず、全体での位置が変わるとパターンの内容やニュアンスが変わってくる。そうやって、部分と全体を行ったり来たりしながら、パターンの関係性を構造化していくのである。

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