パターン・ランゲージによる診断と、診断システム

2013.02.16 Saturday 10:37
井庭 崇



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診断は表向きには「現在のあなたを把握するため診断をします」となっていて、その側面はたしかにある(顕在的機能)。しかし同時に、「なぜここが凹んでいるのだろう」とか「○○の軸が思ったほど伸びていない」ということにも目がいくようになっている。これが診断→補修→成長の誘発(潜在的機能)。

「あなたはこうしなさい」とか「あなたはこのタイプなので、このロールモデルのやり方をしましょう」ということは言わない。それでは、漸進的成長による有機的秩序の形成にはつながらないからだ。

現状肯定のために「現在のあなた」ということでレーダーチャートに自分ができている部分に色がついてカタチができる。そうして、区切りがなされると、その外部があることに気づき、ついついそこが気になってしまう。レコメンドは2つだけ。自発的に気になることの誘発。

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アレグザンダーは、建築・環境が対象だったので、診断マップというのは、地理的な地図の上にパターンでの診断結果を色づけしたものだった。でも、僕らの対象は人間行為であり生き方なので、いわゆる(地理的な)「地図」ではなく、生き方のマップのなかにパターンで色をつけていくというイメージだ。


パターン・ランゲージは、ただ存在するだけでなく、プロセスのなかに組み込まれなければ真の力は発揮し切れない。井庭研でここ数年やろうとしているのは、まさにそのことで、だからこそ対話ワークショップをやったり、診断システムをつくったりしてきた。

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