授業シラバス「社会システム理論」(2013年度春学期@SFC)

2013.03.13 Wednesday 00:28
井庭 崇



社会システム理論は非常に難解な理論ですが、授業ではできる限り噛み砕いてわかりやすく説明します。また、話し合いや演習の時間も設け、コミュニケーションの連鎖によって学ぶ場にしたいと思っています。前提知識等は必要ありません。学年も問いません。社会や物事のダイナミックな側面を捉えたいと思っている人は、ぜひ一緒に学びましょう。


【授業計画】

第1回 イントロダクション
ニクラス・ルーマンの提唱した「社会システム理論」の魅力はどこにあるのでしょうか? また、この理論はどのような可能性を秘めているのでしょうか? 授業では、ルーマンの社会システム理論について概観し、社会科学における「超領域的」(トランスディシプリナリ)なアプローチの基礎論としての可能性について考えていきます。

第2回 コラボレーションについての対話
コラボレーションとは、複数の人々が、ひとりでは決して到達できないような付加価値を生み出す協働作業のことです。創造的なコラボレーションが行われている組織やチームでは、そのコミュニケーションの流れに「勢い」が生まれ、連鎖的に共鳴・増幅していきます。このような流れに身を委ね、コミュニケーションのパスをつないでいくと、思いもかけない飛躍的なアイデアやイノベーションが生まれることがあります。自分たちのこれまでのコラボレーションの経験について、「コラボレーション・パターン」を用いて語り合います。

第3回 ダブル・コンティンジェンシーと社会形成
人は自由な意志にもとづいて考え、行動しています。それにもかかわらず、社会はある秩序をもって成り立っています。このようなことはいかにして可能なのでしょうか? 授業では、出来事や選択が「別様でもあり得る」(コンティンジェントである)ということ、そして、複数の人が集ると、お互いに相手を予測できないために自分の行為を決定できないという「ダブル・コンティンジェンシー」の問題が発生することを理解します。そして、「ノイズからの秩序」という考え方を用いて、社会形成の仕組みについて考えます。

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