Creative Reading:『言葉の外へ』(保坂 和志)

2014.12.24 Wednesday 23:17
井庭 崇


考えるということは「答えること」ではない。考えるということは「疑問を出すこと」だ。考えることが「答えを出すこと」だと思っている大人は、すでにそれだけで学校教育の悪い面におかされている。答えが一つしかないと思っている人は、もっとひどくおかされている。


パターン・ランゲージもまさに「答え」だと思ってしまう人がいる。どうすればうまくいくのかの秘訣の「答え」が書かれていると。そうではなく、これは「問い」であり、世界への眼差しの「投げかけ」であり、そして、それによって得られる「実感」への「足がかり」でしかない。しかし、実際には、知れば簡単に実践できる「答え」のように捉えられてしまうことが多い。このあたり、どう説明してよいのかいつも困るところだが、もう少しでうまく言語化できそうな気もしている。

そして、このことは、僕の創造プロセスの話とも、チャールズ・S・パースのプラグマティックな「探究」の話ともつながっている。このあたりをどんどんつなげていきたい。

この本にいは、他にも、とても大切な指摘がたくさんなされていて、そういうものを読むたびに、「そうそうそう!」「よくぞ言葉にしてくれた!」と感動・共感しまくり。創造的な読書でした。感謝!


image[Kotobanosotohe.jpeg]『言葉の外へ』(保坂 和志, 河出文庫, 河出書房新社, 2012)image[]

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