Creative Reading:『知的生産の技術』(梅棹忠夫)

2015.01.03 Saturday 23:45
井庭 崇


「発見の手帳」も、ずっとまえからカードにかわっているので、いまでは、「発見のカード」というべきであったかもしれない。(p.37)


京大型カードは、12.8cm×18.2cmのB6判である。たしかに発見を文章として書くには、そのくらいのサイズがよいかもしれない。僕はパターンの種をメモする目的なので、A6判にしているけれども(A6判のメリットは、パソコンで作成したカードをA4に4カード分印刷して裁断すれば、同じサイズにできるということである)。

ということで、カードの話になると、僕が「パターンの種」をカードに文章で書いているのは、まさにこの「発見のカード」そのものだと気づいた。僕はこれを読んで始めたわけではないので、40年ほど前にすでに梅棹忠夫が実践していたのだと知り、心強く思った。しかも、40年前どころか、もっと昔にそういうことをやっていた人がいるらしい。

カードを「発見の手帳」ふうにつかった元祖は、新井白石であるらしい。この一八世紀の文化人は、ふところにいつでもカードの束をしのばせていて、何かをおもいつくと、すぐにかきつけた。カードはもちろん和紙であり、かく道具はもちろんん矢立だけれど、原理的には今とまったくおなじである。(p.47)


このような発見のカードは、分類して貯蔵することが目的ではない。それを用いて知的生産を行うためにある。カードは知的生産の道具なのである。

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