Creative Reading:『知的生産の技術』(梅棹忠夫)

2015.01.03 Saturday 23:45
井庭 崇



カードの操作のなかで、いちばん重要なことは、くみかえ操作である。知識と知識とを、いろいろにくみかえてみる。あるいはならべかえてみる。そうするとしばしば、一見なんの関係もないようにみえるカードとカードのあいだに、おもいもかけぬ関連が存在することに気がつくものである。そのときには、すぐにその発見もカード化しよう。そのうちにまた、おなじ材料からでも、くみかえによって、さらにあたらしい発見がもたらされる。これは、知識の単なる集積作業ではない。それは一種の知的創造作業なのである。カードは、蓄積の装置というよりはむしろ、創造の装置なのだ。(p.58)


カードを「創造の装置」として使う。そうそう、まさにこれだ。「パターンの種」を書いたものを、後にKJ法でまとめていくので、そういうことのために使うのである。僕のパターン・ランゲージの作成では、パターンの種を、もともとは手書きで付箋(ポストイット)に書いていたものを、パソコンでA6(A4を4分割)で書くようになり、そして、同じA6サイズの手書きのカードに書くことにした。どの場合も、パターンの種をパターンへと昇華させるために創造的に使うためのものだ。

本書のなかには、知的生産の道具としてのカードに対して、反感や不信感があったという話が書かれている。それに対する考えは、道具一般に言えることであるので、当然、創造・実践の道具としてのパターン・ランゲージにもそのまま言える。

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