Creative Reading:『知的生産の技術』(梅棹忠夫)

2015.01.03 Saturday 23:45
井庭 崇



その宿題は、僕はパターン・ランゲージでいけるのではないかと思っている。パターン・ランゲージ(3.0=人間行為)は、「知識の獲得のしかたをどのように獲得するのか」ということもまたパターン・ランゲージで記述・支援することによって、学習の階層を超えて機能する可能性がある。グレゴリー・ベイトソンの学習I、学習II、学習IIIのどのレベルでも、パターン・ランゲージ(3.0)は対象とし得る。そこに、パターン・ランゲージが、従来の(個別レベルを想定した)方法論とは違うポテンシャルをもっているのだと、僕には感じられるのである。このあたりは、今後もっと詰めて考えていきたい。


最後に、本書の「読書」の章に「創造的読書」ということが書かれていた。僕がこれまで、本から刺激を受けて新しい発見や発想にむすびつけていく読み方を、井庭研流の「Creative 〜」のひとつとして「Creative Reading(創造的読書)」と読んできたが(まさにこのブログのカテゴリーがそうであるように)、ここにすでに書かれていた。40年前にすでに書かれていたとは!この本のすごさを改めて実感した瞬間であった。

読書においてだいじなのは、著者の思想を正確に理解するとともに、それによって自分の思想を開発し、育成することなのだ。・・・本の著者に対しては、ややすまないような気もするが、こういうやりかたは、いわば本をダシにして、自分のかってなかんがえを開発し、そだててゆくというやりかたである。・・・このやりかたなら、読書はひとつの創造的行為となる。著者との関係でいえば、追随的読書あるいは批判的読書に対して、これは創造的読書とよんではいけないだろうか。(p.114-115)


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