Creative Reading:『天才たちの日課』(メイソン・カリー)

2015.01.05 Monday 17:31
井庭 崇



詩人のフィリップ・ラーキンは、「二時間以上やると、堂々めぐりに陥ってしまうから、そこで二十四時間あいだを開けたほうがずっといい。そのあいだに潜在意識かなにかが閉塞状態を打ち破ってくれて、また先へ進むことができるようになるんだ」(p.198)と語っている。

マーティン・エイミスも、次のように言う。

みんな僕をコツコツきちょうめんにやる人間だと思っているけど、自分では短時間のアルバイトをしているような感じなんだ。じっさい、十一時から一時まで休みなく書けたら、それでもう一日の仕事としてはじゅうぶん。そのあとは本を読んだり、テニスやスヌーカーをしたりしていい。二時間。たいていの作家は二時間集中して書けたら、じゅうぶん満足すると思う (p.180)


もちろん、作家のなかには夜に執筆するという夜型の人もいる。書くこと以外の勤務仕事や授業・教室をもっている人たちや、夜に書くことが習慣になっている人たちだ。フランツ・カフカやマルセル・プルースト、ギュスターヴ・フローベル、ジョルジュ・サンド、オノレ・ド・バルザックなどである。

しかし、そういう人はたいてい、昼ころまで寝ていたり、なかなか寝つけないということで薬を飲んでいたりと、つらそうな面も感じられる。他の作家のなかには、若い頃夜型だった人でも、歳をとるにつれ、朝型に切り替える人がいるのもよくわかる。

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