「パターン・ランゲージの魅力は?」 井庭研メンバーそれぞれの思い

2015.01.06 Tuesday 23:11
井庭 崇


自分が感じる小さくとも”良い”を、定義しようとするのではなくて想像して表現するのがいいなと思っています。あと、読む人によって全然違うものになるところ。パターン・ランゲージを一言で言うと、「質を感じることのできるちっちゃな物語」です。

言葉で表現しにくい所を言葉で表現できるところ。また、創造行為の支援に関して、主体者に自由をもたせて支援できるところ。

人間の知の構造を明らかにしようとしていると思うところ。思考するのに適度な型を与えてくれること。人間が持っているもうひとつの言語。

「センスの記述」や「共通言語」など、パターン・ランゲージはいろいろな側面から説明されますが、私は「つくることでわかる」のがパターン・ランゲージの最大の魅力だと思っています。「このことについて書きたい!」と思ってパターンを書き始めても、書き上げたときには自分も知らなかったことが記述されている。この快感は一度味わうと忘れられません。

パターン・ランゲージをつくると、その分野について新しい発見が必ずあります。また、パターンがあれば"理想"のようなフワフワとしたものについても語り合うことができます。自分が関心があったり研究したい対象について深く理解し、さらにその未来をつくっていくことを支援できるのがパターン・ランゲージの魅力だと思いました。

こうなったらいいな、という世界観をみせられること、そして、それを押し付けるのではなく、パターンを見た人の解釈に委ねられるのが魅力に感じます。生活にパターンを取り入れることによって、少しでもその人の考え方や生き方にプ ラスの変化が生まれたらいいなと思います。一言で表すと、人々の中に新しい考え方や価値観を生むツールだと思います。


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