Creative Reading:『小説の誕生』(保坂 和志)

2015.01.17 Saturday 18:06
井庭 崇


「人間であることのくるしみをくるしみとしながらも
くるしみがそのままでそこからの解放でもあるような音楽」
という意味で、世界を肯定しようとする強い意志がなければならない。小説―――広く芸術一般――ーを世界に向かって開くことができるのは、この意志なのだと思う。(p.317)

世界を肯定する。その気持ち、よくわかる。パターン・ランゲージは現在よりもよりよい状況を生もうとして書かれる。しかし、それは世界の否定ではない。世界を肯定しているからこそ、パターン・ランゲージを書き、よりよい状況になると信じているのである。もし世界を肯定しようという意志がないのであれば、パターン・ランゲージなど書くこともなく、絶望に打ちひがれたり、やけになって破滅的な行動をとるかもしれない。パターン・ランゲージをつくるというのは、世界を肯定しようという意志の表れなのである。

[7] <<
-
-


<< Creative Reading:『小説の自由』(保坂 和志)
Creative Reading:『小説、世界の奏でる音楽』(保坂 和志) >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.20R]