Creative Reading:『レイモンド・カーヴァー:作家としての人生』

2015.01.19 Monday 11:00
井庭 崇



ちょうど昨年のPLoP2014で、そのようなライターズ・ワークショップの体験をしたばかりだったので、カーヴァーの評伝のなかに彼が参加したライターズ・ワークショップの話が出てきて、思わず「わお!」とうれしくなった。やはり、創作の世界のライターズ・ワークショップはそれを担当する教員(作家)の色がかなり強く出るようで、参加者(作家の卵たち)にかなり恐れられている場だったようだ。

伝説的だというアイオワシティのライターズ・ワークショップについての記述を少し見てみよう。?

カーヴァーがライターズ・ワークショップについて知っていたことは、教師たちから聞いたことのほかは、高級雑誌から得た知識だけで、その雑誌のほとんどに地元アイオワの出身でワークショップのディレクターを務めていた詩人ポール・エングルの写真が載っていた。このような記事には、「学識のある者たちのあいだでは、豚だけでなく、詩もまたアイオワの名物として知られるようになった」というようなキャッチフレーズが書かれていた。また、「アメリカの選りすぐりの作家を輩出」というフレーズもよく見られた。一九六七年七月の「エスクァイア」誌は、「アメリカ文学界の組織図」を掲載した。そこには、かつてアイオワの学生や教授だった四十二人の名が記されていたが、これはリストに挙げられた名前の三分の一を占めていた。またべつの記事は、ワークショップに参加するための必要条件は「才能」である、と簡潔に説明していた。(p.134)


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