Creative Reading:『レイモンド・カーヴァー:作家としての人生』

2015.01.19 Monday 11:00
井庭 崇


毎年、百人以上の学生を世界中から引き寄せたワークショップの魅力とは、エングルによれば、それが「ハリウッドとニューヨークの中間に位置する選択肢であり<中略>そこでは、作家は自分自身で立ち向かい、それと同時に、ほかの大勢の者と自分の能力を比較できる」ことだった。一九六一年時点では、少なくとも六十作以上の重要なフィクションの作品が、それまでの二十五年間でワークショップ出身の作家によって出版されていた。(p.135)

カーヴァーがアイオワに来たとき、ワークショップは成長期にあり、アイオワの卒業生が開設する創作講座が全国で花開こうとしていた。(p.139)

当時の様子が想像できる。しかし、華々しい実績の背後には厳しい面もある。

アイオワで教鞭を執ったフィリップ・ロスは、「私たちの役目の一つは、十分な才能を持たない学生に、作家になることをあきらめさせるおとだ。自己表現のため、あるいはセラピーのためにやってくる人も大勢いる」と述べた。(p.135)


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