Creative Reading:『レイモンド・カーヴァー:作家としての人生』

2015.01.19 Monday 11:00
井庭 崇


だからこそ、ライターズ・ワークショップの場は、必死な場となる。ライターズ・ワークショップは何のために行われ、どう実施されたのだろうか。

創作というものを学校で教えられるかどうかについては、盛んに議論が重ねられてきた。これは今でも答えが出ていない問題だが、「ワークショップ」と呼ばれる形式の授業は、この課題に取り組むために進化してきた。アイオワ大学でワークショップが制度化されたのは、ヴァンス・ボアジェイリーの説明によれば、「創作的な作文を教える方法を発明しなければならなかった」からだという。授業の題材となるのは、主として学生の原稿だ。教授とほかの学生の批評が道具となり、教室という工房で原稿が磨きあげられていく。(p.136)

この記述にあるように、明らかに教育としての場であったことがわかる。

一九六〇年代初めのワークショップは、まだかたちが定まらない集まりで、その年に集まった教授陣や学生の個性によって決まる要素が多かった。(p.139)

レイモンド・カーヴァーが入ったR・V・キャシルのワークショップは、次のような感じだったようだ。

キャシルは非常に雄弁で学究的な人物で、知的な議論を好んだ。彼のワークショップは、「誰かが書いた小説を料理する場所だった。気に入った作品があると、食いついて徹底的に分析した」(p.137)

ワークショップにおける講評会は以下のような感じだったという。講評会は、「ワークショップで週に一回、二時間にわたって開催」されたという。

[7] << [9] >>
-
-


<< Creative Reading:『小説、世界の奏でる音楽』(保坂 和志)
Mary Lynn Mannsさんと「Fearless Change Workshop」を開催します >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.20R]