Creative Reading:『レイモンド・カーヴァー:作家としての人生』

2015.01.19 Monday 11:00
井庭 崇


ワークショップの講評会では、「作家たちは集中砲火を浴びている兵士のように頭を下げ、黙って話を聞いてから、その場を立ち去った。自分自身と、自分の作品が、集中砲火を浴びるんだ。強烈だったよ」とドハーティは語る。(p.141)

これらの話からもわかるように、かなり強烈な場だったようだ。僕らがパターン・ランゲージで行っているライターズ・ワークショップも、もちろん初心者にはドキドキして緊張する場ではあるが、ここまで厳しい雰囲気ではない。このあたりは、ソフトウェア分野の明るくオープンな雰囲気がうまい具合にブレンドされて進化したと言えるかもしれない。

今回初めて創作の世界でのライターズ・ワークショップの話を読んだのだが、非常に興味深かった。もっと歴史と形態について知りたいと思った。


そして、この本の重要な部分としてやはり触れなければならないのは、「身を粉にして小説を書く」人生を送ったカーヴァーの創作人生についてである。

カーヴァーは、一九八三年に「パリス・レビュー」のインタビューで、自分の人生の物語をフィクションに変換するためには、「並外れた大胆さと、非常に高い技術と豊かな想像力をそなえていなければならない。そして、自分の秘密をばらす覚悟が必要だ。自分の知っていることについて書けとくりかえし言われてきたけど、たしかに自分の秘密ほどよく知っていることはない」と語った。(p.269)

レナード・マイケルズは、カーヴァー(レイ)が妻のメアリアンとの生活のなかでいかにして小説を生み出してきたのかについて、次のように語っている。

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