日本語のパターンにおける内言的な書き方へのこだわり

2016.09.14 Wednesday 13:14
井庭 崇



人称代名詞を省略できる言語は、他にもある。しかし、スペイン語やイタリア語などは、動詞の形が一人称と二人称、三人称で変わるために、主語を省略しても意味が取れるので、省略が可能になっている。日本語の場合には、それとは異なる原理で人称代名詞を入れずに文章を書くことができる。

このように、パターン・ランゲージは、アメリカで英語で書かれるものとして出発したが、僕らが日本でつくるようになってから、パターンの文章の書き方は、ひとつ新しい展開をみせたと考えている。

そこで、このことを海外の方にも知ってもらうために、今年のPLoP(パターン・ランゲージの国際学会)に、そのことを書いた論文を出している。そもそも英語にできないことを英語で書くのだから、少しややこしいのだけれども、そのようなことも伝えなければ知ってもらえないので、なんとか論文にした。学会での反応が楽しみである。

Takashi Iba, Ayaka Yoshikawa, “Understanding the Functions of Pattern Language with Vygotsky’s Psychology: Signs, The Zone of Proximal Development, and Predicate in Inner Speech,” 23rd Conference on Pattern Languages of Programs, Oct, 2016


  • 『旅のことば 認知症とともによりよく生きるためのヒント』(井庭 崇, 岡田 誠(編著), 慶應義塾大学 井庭崇研究室, 認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ, 丸善出版, 2015)

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