Vision Cube: 未来の社会をかたちづくる「新しい学問」をつくる
2017.06.20 Tuesday 23:29
井庭 崇
以上のように、パターン・ランゲージは、「狭義の“科学”」では行うことができない、「事実/価値を不可分とする新しい学問」を志向している。
Vision Cubeの三つめの軸は、(3) 個別学問分野(Discipline) ←→ 超領域的(Trans-disciplinary) である。ここで、「学際的」(Inter-disciplinary)と「超領域的」(Trans-disciplinary)は異なるものである、という認識が重要である。
「学際的」(Inter-disciplinary)とは、個別学問分野(Discipline)の組み合わせを意味する。「国際的」(Inter-national)が、「国」(nation)の「際」(inter)という意味であるのと同じように、「学際的」(Inter-disciplinary)とは、「個別学問分野」(discipline)の「際」(inter)なのである。ここで注意が必要なのは、「学際的」(Inter-disciplinary)においては、個別学問分野(Discipline)の存在は前提とされ、また変わらず存在し続けるという点である。このことは、複数の個別学問分野(Discipline)をつなぐ「multi-disciplinary」と言ったところで同様である。
これに対して、「超領域的」(Trans-disciplinary)というのは、個別学問分野(Discipline)を超えた領域を指している。哲学や数学、システム理論などはこのような超領域的な学問であり、パターン・ランゲージもここに位置すると僕は考えている。
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