Vision Cube: 未来の社会をかたちづくる「新しい学問」をつくる

2017.06.20 Tuesday 23:29
井庭 崇



image[InterTrans_440.jpeg]


この区別をしっかりと理解した上で、Vision Cubeに戻ると、先ほどよりも、軸の取り方の意味がよりわかると思う。「超領域的」(Trans-disciplinary)は軸の一方向になっているのに対して、「学際的」(Inter-disciplinary)は軸には正式には書かれていない。あくまでも、「Issue-oriented」に補足するかたちで添えられているにすぎない。

また、よくよく見ると、Vision Cubeには、「モード1」「モード2」という言葉も添えられているのに気づくだろう。これは、マイケル・ギボンズが『現代社会と知のの創造』のモード論に対応している。そこでは、「Academic-oriented」かつ「個別学問分野」の従来の学問が「モード 1」と呼ばれ、「Issue-oriented」かつ「超領域的」な知の生産様式を「モード 2」と呼ばれている。

ここでもう一度、Vision Cubeを載せておこう。

image[VisionCube440.jpg]


(1) Academic-oriented ←→ Issue-oriented
(2) 狭義の“科学” ←→ 事実/価値を不可分とする新しい学問
(3) 個別学問分野(Discipline) ←→ 超領域的(Trans-disciplinary)

この3つの軸で構成される空間において、黄色で描かれた領域が、僕の取り組みたい「新しい学問」ということになる。それが、「超領域的で、事実/価値を不可分とする新しい学問」である。

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