マインドフルネス、ガーター(偈頌:げじゅ)、パターン・ランゲージ
2018.02.28 Wednesday 13:43
井庭 崇
ガーターのタイトルは、パターン・ランゲージのパターン名にあたり、短詩の部分は、パターンの内容・記述にあたるだろう(特に、イントロダクションや状況、解決のあたり)。そして、詩的なやわらかな部分は、イラストが担っていると思う。
「瞑想と詩を合わせて実践するガーターは、禅の伝統の鍵です。ガーターを憶えれば、蛇口をひねるとき、お茶を一服するときなど、特定の行為と結びついた一節がおのずから心に浮かんでくるでしょう。」(p.6)
「ガーターは大きな助けになり、ほかの人にとっても同じく役に立ちます。心の中に安らぎと、穏やかさと、喜びの深まりを感じ、それを人と分かち合えるようになるのです。」(p.6)
このあたりは、パターンが状況駆動であることや、ランゲージ(言語)としてつくっていることにつながる。パターンは、一人の実践をよりよくするとともに、対話のなかで経験を分かち合うためのものでもある。
パターン・ランゲージとガーターの重なりが見えてくると何がよいかというと、マインドフルネスとの関係が見えてくるだけでなく、それが、歴史的に継承されてきた考え方や方法に接続できるからである。
「ガーターの実践は二千年以上前に始まりました。」(p.4)
ガーターについて、さらに学んでみたいと思っている。
さらに、表現媒体の観点からも、重なりを感じるので、パターン・ランゲージの可能性について、ガーターから学ぶことができるかもしれない。
訳者の解説によれば、世界各国で行われているリトリートでは、ガーターがイラストつきの小さなカードに書かれれているものが置かれ、持って帰ることができたりして、人々はお守りのように大切に持っているという。これは、僕らのパターン・カードが近い。
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