マインドフルネス、ガーター(偈頌:げじゅ)、パターン・ランゲージ

2018.02.28 Wednesday 13:43
井庭 崇



また、ティク・ナット・ハンが開いたフランス・ボルドーのプラムヴィレッジでは、建物や敷地のあちこちでガーターを目にするという。それぞれの場所に応じて、「洗面所には、『手を洗う』、キッチンには食べる瞑想に関する多くのガーターが、禅堂にはもちろん瞑想に関わるガーターである」(p.251)。これは、僕らでいうと、パターン・オブジェクトにあたる。

さらに、ガーターという言葉の原義は「歌」であり、昔は歌いながら口伝したのではないかということである。これも、僕らがパターン・ソングで行おうとしていることに通じる。おそらく、口伝で広まり受け継げるように、短い詩のかたちをとったのだろう。

このように、ティク・ナット・ハン師の本『今このとき、すばらしきこのとき』は、そのガーターの内容が素敵であるだけでなく、このように今の僕にとっては、とても素敵な可能性が見えた本だった。


ティク・ナット・ハン, 『今このとき、すばらしいこのとき Present Moment Wonderful Moment:毎日が輝くマインドフルネスのことば』, 島田啓介(訳), サンガ, 2017

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