SFCの履修選抜問題と、「実践を伴う授業先取り選抜課題」という方法

2018.03.28 Wednesday 21:07
井庭 崇



もっと工夫をした履修選抜にする方がいいんじゃないかと思う。このあと、書くが、実践を伴う授業先取り選抜課題である。これは、授業の内容を理解することにも役立つし、授業でやることを楽しめそうかのセルフチェックにもなる。そして、そういう履修選抜は、本当にやる気がないとやろうと思えないという意味で、こちらがわざわざ選抜しなくても、自然淘汰型で履修選抜提出者がそこそこに減る。そういう方法だ。

僕の考えるソリューションは、「実践を伴う授業先取り選抜課題」というものだ。授業で行うことを、前出しで実践してもらい、それを履修選抜課題とするのだ。

授業の履修について、最も残念なのは、「こういう授業だったなんてわかってなかった」というミスマッチングで、これは学生はやる気はないし、教える側もそういう相手に教えるということで、よいことはない。シラバスにそう明記してあっても、そういう学生は少しいる。

この「実践を伴う授業先取り選抜課題」をやれば、そういう学生はいなくなるだろうと思う。なぜなら、授業でやることを先に少し経験してから履修することになるからだ。

しかも、指定された実践をしなければならないので、とりあえず志望理由をうまく書いて出しちゃう、みたいなことはできなくなる。実践しなければならなくなるからだ。これは、僕は、クックパッドのアーキテクチャから学んだ。クックパッドでは、「つくれぽ」というのがある。あれは、レシピに対して、自分が実践した報告を、そのレシピにつけるというものである。実践しなければ書けないため、冷やかしや誹謗中傷みたいなことにはなりにくい。これは、ブログのコメント欄やtwitterなどとは大きく異なるところだ。そういう場では、言葉上では何でも言えてしまうので、偉そうに語ったり、ひどいことを書いたりすることも簡単にできてしまう。そうならないための方法が、自らの実践を伴うコメントしか許さないというアーキテクチャだと、「つくれぽ」を見て僕は気づいた。

[7] << [9] >>
-
-


<< 「名づけ得ぬ質」と「巡回」と沈黙:『仏教が好き!』を読んで
仏教へのプラグマティックな関心と「創造におけるマインドフルネス」 >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.20R]