2022年春学期 井庭研シラバス:「自然な深い創造」の探究・実践・支援

2022.01.26 Wednesday 10:23
井庭 崇



(1) 創造のための読書

井庭研では、創造に活かせるようにたくさんの本を徹底的に読み込みます。良質の本からは、その著者が考えた結果としての内容だけでなく、「独特の視点」や、「発想の型」、そして体系的な「概念装置」を学ぶことができます。そこで得られたものは、別の分野の別の文脈のことを考えるときにも、役立てることができます。これが自分を創造的にさせるのです。

第一の「独特の視点」は、その著者なりの(つまり、これまでの自分とは異なる)視点で物事を見ることです。いくつかの視点を持っていると、物事を常識的な角度からだけでなく、異なる角度から見ることができるようになります。第二の「発想の型」は、新しい考え方を生み出すときのやり方のことです。発想のしかたの型をいくつも持っていると、アイデアや新しい考えを生み出すときに用いることができます。第三の体系的な「概念装置」は、いくつかの概念が体系的に紐づいた理論を用いて、物事の複雑さを生け捕って捉えることができるようになるということです。これは、高度な把握や推論が可能となり、創造を高いレベルに引き上げます。

このように、たくさんの本を徹底的に読み込んでいくことで、自分という創造の土壌を豊かにし、創造力が飛躍的に上がっていきます。井庭研での経験を通じて、「本の読み方が変わった」「本を読むことが、とても面白いということであることに気づけた」という声があり、研究のためだけでなく、「ナチュラルにクリエイティブに生きる」人生を豊かにしてくれるということがわかります。

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