「創発する学び」について考える @PCカンファレンス
2008.08.06 Wednesday 23:51
井庭 崇
この講演では、このほかにも、「学びを“関係論的”に見る」や「人は共感によって世界を知る」という魅力的な話が出た。興味深かったのは、ミラーニューロンの発見の意義についての話である。佐伯先生が70年代に提唱した「擬人的認識論」(自分の「分身」を世界に投入することで、世界を認識する)が、ミラーニューロンの発見によって科学的に裏付けされたという。そしてそこから、マイケル・ポランニーの個人的知識の話につながったりと、分野横断的に「学び」について語る語り口がとても魅力的な講演だった。
基調講演(熊坂先生)
image[PCC2.jpg]2つ目の基調講演は、今回のPCカンファレンスの実行委員長である熊坂賢次先生(慶應義塾大学環境情報学部教授)の講演だ。
タイトルは、「SFCの挑戦:『未来からの留学生』から未来創造塾へ」。熊坂先生らしいトークで、笑いながら聞いた。
熊坂先生の講演では、1990年に開校したSFCが何を目指し、今後どこに向かうのか、ということが語られた。SFCの出発点は、佐伯先生の指摘と同様に、「知識の伝達」には限界がある、という問題意識だ。そこで、SFCでは「知識の伝達」ではなく、絶えざる「時代の変化」に対応していける「問題発見・解決の方法論」の開発と共有が目指された。それに応じて、知識の伝達のための「教育」体制ではなく、問題発見・解決を実践し、方法論を開発する「協働的な学習」体制の構築が行われてきた。
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