素顔なんてないの
 


田舎者のレッテルは、いまどれだけ有効なのか。冗談としてのみ活躍できるコンセプトなのか、それともまだまだ深刻な素顔をみせるおぞましいことなのか。いじけることなのか、それともいじけるフリをすることなのか、そもそもそんなレッテル知らなかったと、とぼけるものなのか。今は地方の時代と弄ばれ、昔は痴呆な奴らと蔑まれてきた過去に、どう決着をつけるのか、つけないのか。いまの田舎者はこのような重たい人生をきれいに捨てさってしまったのか。かれらもさっそうとシティボーイに染まり、そのライフスタイルを生きるのか。

SHADOWBOXING IN THE DARK

都会の若者は、都会に故郷をもつことつまり結局は故郷喪失者であることにかんして、なにを感じるのか。単純に幸福なのか、豊かな自然の恵みを知らない不幸なのか。野に生える草花の名前はなにも知らず、知っているのは観葉植物だけという環境に育ったことに、かれらは自信をもつのか、それとも田舎への淡いコンプレックスをいだくのか。