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ここでも普通の街が最も勢力をもっています。個性がないと いうのか、平均的というのか、賑やかでも静かでもない街がは びこっています。もちろん、このような平均的という解釈は普
通の街の意味をあまりにも無視した古い解釈であることは、前 述の場合と同様です。いま、普通が大変なのです。
繁華街と住宅街。下町と山手(そして山の中)。このように、すっきりと生活環境の 特性が明記できる場所は一義的に秩序化された世界なので、その評価にかんしては明確
な反応が期待できます。好き/嫌い。
普通の街ではそうはいきません。ミニ繁華街があったり、嘘っぽい住宅街がスポット であります。その意味では賑やかでもあり静かでもありますが、しかし賑わいの街とは
評価できず、また閑静な街ともいいがたい街なのです。普通の街は一義的に秩序化され ていないので、多面的な様相をみせてくれます。しかしその多面性がいつも中途半端で
しかない、という性格もあります。普通の街は、まだ混沌としています。
さて、このような過去の地域性は若者の意識や行動に本当に影響力を発揮しうるので あろうか。それとも、いま都会で生活している事実がかれらのライフスタイルを規定し
てくるのだろうか。
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