家族なのに、夕食をみんなで一緒に食べないなんて、古臭い自分にこだわってみる と、『それでなにが家族なんだろう』と悩んでしまいます。夕食は一日の仕事納めの
ミニ・イベントです。ごくろうさん、今日も一日頑張ってもらって、まあ一杯やりま しょう。かあさんもいくかい。と、まあこんな調子でいってもらいたいのですが。も
う無理なことです。なぜでしょうか。
(1)夫は、会社で窓際から遠ざかるために必死で闘う。
夕食が家族の団らんの場だなんて、残業が日常化している多忙なビジネスマンに とっては、ユートピアなんてものではなく、冗談です。もしかしたら、気持ち悪いア ンチ・ユートピアだから帰宅しないのかもしれません。かれには、同僚との飲み屋通
いが一日の仕事納めなのでしょう。家庭には、仕事をもちかえらない主義だから。い い口実です。
(2)子供が大きくになって、もう家に帰りたがらない。
子供の成長は、家族をバラバラにさせるものです。特に恋愛は最大の敵です。子供 が帰宅時間を無視するようになったら、覚悟が必要です。もう夕食は母が独りで寂し くいただくものでしかありません。因果は巡るのです。
(3)テレビ、これさえあれば、父親はいらない。
毎晩ゴールデンタイムのホームドラマは不在の父親のかわりに、もっと気のきいた お説教をしてくれます。そしてЯЮ時になると、母のための不倫のカルチャー・ス クールまでやってくれるのですから、テレビは止められません。
(4)そして、まだ夜があります。
夕食が一日の締めで、ということはもう過去のこと。ここから一日の第二部が始ま るのです。セブンイレブンも待っています。あなたを。
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