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2007年05月02日
国際紛争に関する映画・ドキュメンタリーの紹介
すっかり春らしい日になりました。ゴールデン・ウイークはいかがお過ごしでしょうか。「安全保障と国際紛争」は、第4週を終えて、紛争のケーススタディへと入ろうとしています。といっても、なかなか紛争の姿を授業や本のなかで感じ取ることは難しいと思います。そこで、授業のテーマに関連する、いくつかの優れた映画・ドキュメンタリーを紹介したいと思います。
映画のなかには、かなり忠実なノンフィクションと、かなりフィクション化されたものに分かれます。しかし、紛争地での人間の生活、国家や企業の関与、戦闘、利害、心情など、いろいろなことを想像できるかもしれません。ゴールデン・ウィーク中に、ひとつでも関心のある映画を手にとってみてはいかがでしょうか。よい休日を!
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【アフリカの紛争】
「ブラッド・ダイアモンド(Blood Diamond)」:2007年(公開中)
1990年代後半のシエラレオーネにおける内戦をテーマに、ダイアモンドの不正な取引をめぐるさまざまな抗争を描く。
「ナイロビの蜂(The Constant Gardener)」:2006年
アフリカにおける製薬会社の利権、癒着などをテーマに、NGOの女性と英外交官の恋を描く物語。
「ホテル・ルワンダ (Hotel Rwanda)」:2006年
1994年のルワンダ内戦、ツチ族・フツ族の対立から生じる大虐殺のさなかで、1200人以上の命を救ったホテル副支配人の姿
”Ghosts of Rwanda” (PBS, Frontline):2006年
PBS・フロントラインのルワンダの虐殺に関するドキュメンタリー
「ロード・オブ・ウォー(Lord of War)」:2005年
ウクライナから移民として米国に渡り、リベリアを舞台に武器商人となる主人公の運命を描く。ソ連の崩壊後の兵器取引とアフリカとの関係など、興味深い。
「ブラックホーク・ダウン(Black Hawk Down)」:2002年
1993年のソマリアにおける国連平和維持部隊(米軍)とゲリラとの市街戦(モガデシオの戦闘)を描いた傑作。
【ボスニア紛争】
「ビューティフル・ピープル(Beautiful People)」:1999年
イギリスに移民としてわたった旧ユーゴスラビアの民族間の出来事を描くライトコメディ
「ウェルカム・トゥ・サラエボ(Welcome to Sarajevo)」:1998年
戦火のサラエボで活躍するイギリス人ジャーナリストの葛藤を描く物語。実写映像も多く、ロケも戦争中に現場で行われた
「パーフェクト・サークル(Le Cercle Parfait)」:1997年
ボスニア戦争中、サラエボのある詩人の物語。難民の小さい兄弟を助けるため、なんとかサラエボから脱出するルートを探る
「ボスニア!(Lepa Sela Lopo Gore)」:1997年
旧ユーゴの民族紛争を、ひとりのセルビア人青年の目から描いた作品
「ブコバルに手紙は届かない(Vukovar Poste Restante)」:1996年
民族紛争のさなかでのセルビア人とクロアチア人の恋人の物語
【その他】
「イノセント・ボイス―12歳の戦場―(Voices inocentes)」:2006年
内戦状態のエルサルバドルで賢明に生きる少年の姿を描く
【テロリズム:ドキュメンタリー】
”Al Qaeda’s New Front” (PBS, Frontline)
Dispatches: ”At Home with the Terror Suspects” (米国、Channel 4)
【イラク戦争:ドキュメンタリー】
”The War Behind the Closed Door” (PBS, Frontline)
”Hijacking Catastrophe: 9/11, Fear and the Selling of American Empire”
”Inside Iraq: The Untold Stories” (Ostrow and Company)
”Gangs of Iraq” (PBS, Frontline)
投稿者 kenj : 2007年05月02日 19:06
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