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最新記事【2007年06月28日】

2007年にニューオーリンズで開催されたHIMSS'07
 
 現地レポートはこちらから。


HIMSS : Healthcare Information and Management Systems Society

本日、SFC秋山研究会にて生涯利用型パーソナル情報空間プラットフォームの研究について発表を行った。
本研究は、個人を中心とした情報を、「生まれたときから利用する」および「100年間以上継続利用する」を前提とし、実現可能とする情報空間プラットフォームを提案するものである。具体的には、パーソナル・ゲートウェイにより新たな情報空間および情報価値を創造できるプラットフォームのモデルを提案、母子手帳のように生まれる前から発生する情報や亡くなった後に残る情報を含め世代を越えた情報の共有、継承および保護について技術的および意味的に研究するものである。

発表へのフィードバックとして:
・医師モデル、看護師モデルに次いで市民モデルとしての医療の切り口で考えたらどうか。
・データだけでは意味がない、何を目的とするかでデータの意味や粒度も変わる。
 →情報の粒度を明確にすること。利用目的を明確にすること。
・データが揃えば、データ検索エンジンに搭載されているようなデータマイニング技術により
 アラートを発生させることも可能になるのではないか。
・普段の生活状況から、何を摂取しているからどのようなリスクがあるか分かる
・早く実装して利用してもらうのも良いアプローチかもしれない。

秋山さんからのフォロー:
・今回の発表に近い研究は既にされており、失敗例が多い。なぜ失敗したかを徹底的に調査し、今回のモデルはなぜ上手く行くかを説明できるように。 メディバ、東金病院、宮崎はにわネットなどが前例。最近では東京都も進めている。
・カルテを患者に開示できると良いというが、患者は本当にそれで満足するか
満足度調査ができると良い。(国領先生)
・公衆衛生の分野にあたるのでは。

現在のコンピュータは使いづらいと感じている。パソコンを利用する際のスパムメールの多さ、ウィルスなどセキュリティへの脆弱性、ウィルスから保護するためのセキュリティソフトの更新の多さ、Windowsのセキュリティ更新の多さなど、本来はなくてよいものが当然のごとく行われており、多くの人たちは疑問すらもたなくなりつつある。これら劣悪な情報環境によりどれだけコンピュータ資源、ネットワーク資源、人々の時間やストレスなどに悪影響を及ぼしていることか、世界中でtremendousな浪費に違いない。

これら情報環境を改善するために
人に優しいコンピュータをかねてから作りたいと考えていた。

パソコンの利用シーンを考えると、一般的な人にはメールとウェブが安全に使えること、メディアプレーヤが使えることで十分だ。これら利用中のトラブルの多くはネットワーク接続に起因する。
携帯電話の場合では、同様にネットワークに接続されているにもかかわらず、パソコンほど多くのトラブルは発生しない。この差は、アーキテクチャの違いが考えられる。パソコンでも携帯電話程度に安全に利用できるようになれば相当ストレスは減るのではないか。

現在のウィルス対策の大部分はパターンをチェックすることである。ウィルスの情報を元にチェックパターンを作成しワクチンとしている。この場合、ウィルスのパターンが増加したらチェックパターンも応じて増加し、結果としてウィルス検出にかかるCPU利用時間は増加する。それはどこまで許容されるのか、いずれCPUの利用時間を食いつぶす恐れも否定できない。現在のウィルスへの対応方法は根本的な解決方法とはいえない。

根本的な解決は、アーキテクチャを変えなければできない。
先の携帯電話の例では、プログラムとデータを分離した構造となっている。パソコンではプログラムとデータが同一空間上にあるため、データ内にプログラムコードを書き実行することが可能である。一方携帯電話ではデータをプログラムとして実行できるような構造にない。プログラムのローディング方法が限定されおり、データをプログラムとして起動できないようにしているからである。

自身の研究は、コンピュータアーキテクチャを見直し、誰もが安心して利用できる情報環境を創り出そうというものである。

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