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Mai 12, 2004
世界の中心
世界の中線へ向かうバスが
ゆるりとロータリーを抜けた
膜のように広がった空を
剥がしていくように
遠くへ街は沈んでいく
ばらばらと飛ばされた新聞が
モノクロで伝えるのは
19世紀のロシアの夢
左回りの時計台で
街を見下ろした帽子は
電線を伝わり
国境を点滅させている
もうすっかり灰色になずんだ
人々の巡礼は続いてた
チェルノブイリからの風は
そっと肌をかすめて
また海へと流れ出してゆく
空瓶のまま出した
大切な想いは
誰か拾ってくれるかな
スパイ衛星だけが知る
ちっぽけな悲しみは
太平洋が干上がる日まで
終わらない二人を願うのかな
きゅんとして
微笑んで
信じてみたいな
いくつもの越境を手繰り寄せ
意味を終えた旅人が
鳴らす鐘の音が 街明かりを灯す
最終バスはまた通り過ぎてゆく
もう乗客を乗せずに
ただ道をたよりに 遠く遠く流れたまま
そしてまた
ボクは君を待ち
この場所で
汚れた時刻表をたよりに
世界の朝焼けを
瞳の裏に
一人 舞っている
世界の中心は恣意的なものだけど、「世界の中線」と呼ばれるものはある。
いや、赤道なんだけどさ。でも「世界の中線行き」っていうバスは本当にあるらしいよ。
あれ?でも、赤道なんてすごく長いじゃん。どこだっけ。
モニュメントもたってる。ただ、何百メートルかずれてるらしいんだけど。
投稿者 POE : Mai 12, 2004 09:31 EM
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