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Januar 14, 2006

21

ついに21年目。もうこの世界にそんなにいるのかと思うと不思議な気にもなる。振り返っても、未来を覗こうとしても、はじまりもおわりもぼやけているし、どこへ転がってゆくかもわからない。誰のものとも完全には重ならない地上の道を踏み固めてきたはずだけれども、もうそんなものは多くが見えなくなってしまったり、もしくは新しい誰かに踏み固められたり消されたりしている。

それでも、何で歩いていけるんだろうとか、ときどき不思議になる。意味を捨ててしまうわけじゃなくて、だけど一つの場所を目指すわけじゃなくて、いつか突然に自分以外によって終わりを告げられてしまうゲームなのに、このまま歩いていくと思うとどきどきしてしまう。

でも、ここから見はるかせる景色。それは少なくとも悪くはないよ。

小さな灯り
つながる湾岸

その先に
優しい鐘の音

海沿いの長い小道
足跡もない小径が長く続く

今日もまだ
あの船は帰らない

見慣れた寂しさが
新しい風に包まれる

たった一人の誰かを
待ち続けているわけじゃない

たった一つの自分を
探し続けているわけじゃない

空が雲に滲み
闇が街を覆う

青が遥か霞み
海が俄か果てる

その瞬間にただ
ここに立っているだけのこと

ただ小さな
やがて道なき道になる

そんな瞬間をただ
ここで送るだけのこと

次の瞬きのあと
あの灯りがまだ

消えていないことを
少しだけ祈りながら

そっと
世界にまぎれてみる

投稿者 POE : Januar 14, 2006 03:03 EM

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