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Februar 02, 2006

なれない。

学者や研究者にはなれないなあと最近つくづく思う。厳密性がないんだもん。主語や主体はぼかせるものならぼかしたい。理論の穴も一瞬じゃ見破れない。**地方における**の**可能性みたいな論文のための論文みたいなものにも興味がない。接続詞もその意味よりも、響きを優先して使う。表紙の文字の配置に時間をかける。

欲しいのは、広さを見晴るかす言葉や道具。研究者なんかになれっ子ない。学部なら許されても、入院なんかしちゃだめだ。だけど、まだ欲しいものはぜんぜん足りない。本を読むたび、誰かの話を聞くたびに落ち込む。なんで、そんなことを今まで知らなかったんだろう。なんで、そんなことを思いつかなかったんだろう。なんで、そんなことをいつからか忘れていたんだろう、って。

---とかね、悩む自分が大好き。なんか30年前の大学生ってこんなんだったのかなあと思って。

夜明け間際の国を
抜けた先にいくつか続く地平線

あといくつの夜は続き
あといくつの朝はここまで届くのだろう

誰かが愛を囁き 誰かが夢を語り
誰かが別れを嘆き そして誰かが明日を信じているのか
知らない言葉ばかりが
知らない場所で通り過ぎてゆく


濡れた夜更けの街で
聞いた歌は生まれた部屋に似ていた

まだ僕らが何も知らず
ただ微笑み朝を待ち焦がれていた温度

いつしか夢を描き いつから夢を忘れ
それでも夢を抱えなおし そして誰もが今日を生きていくのか
知らない生活もまだ
知らない顔のぶん残されて


あといくつの夜が残り
あといくつの朝がここから消えるのだろう

誰かが愛を諦め 誰かが夢を遠ざけ
誰かが別れを受け入れ だけど誰かが明日を信じているなら
知らない言葉だけの
知らない場所も歩いてゆける?

世界が空に落ち込む 地平が遥か揺れる
一人で歩いたはずのこんな道にも 数え切れない足跡が
知らない人でさえも
知らない僕と歩いてきた

投稿者 POE : Februar 2, 2006 11:48 EM

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