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Mai 12, 2006

くに、あい、

教育基本法の改正の動きが最近活発化していて、
先月には自民党が案を公表、そして民主党も今週それに対する対案をだした。
見所のひとつは「愛国心」を盛り込むかどうか。

自民党は「我が国と郷土を愛する態度を養う」、
民主党は前文に「日本を愛する心を涵養」と書いた。

日本を愛するがゆえの革命だとか、
日本を愛するがゆえの国会爆破だとかも認めるってことなのかな。

なんか、すごく似たような表現で、違いは「国」か「日本」か、「心」か「態度」くらい。
でも、「くに」を愛することと、「日本」を愛することって、本当はあまり変わらない。

「くに」にあたる言葉は、たとえば英語ではland,country,nation,stateになりうる。
だから日本語で愛国心っていうと、
統治機関としての国(state)を愛せよって意味になってしまう可能性がある。
なので、今回の民主党でも「日本」という言葉を使ったわけだけど。

でも愛国心っていうのは、
政府の言いなりになれとか、軍隊のために物資を差し出せとか、
そういう意味だけで使うべきではなくて、
nationの一員として、countryを守るためにstateを壊そうぜ!
っていうのも愛国心になりうる。

まあ革命は過激すぎるにしても、
stateに対する批判力はやしなっておくべきものだと思う。
歴史を紐解く限り、権力は放っておいたら腐敗するものだから。

だから、その文脈では決して愛国心というものに反対はしないけど、
(愛するがゆえの批判って必要でしょ)
それを憲法や法律に書いたからって、何かが変わるわけじゃない。
しかも日本を愛せよなんてだけ書いたら、
それを誤解する困った人がたくさん出てくるかも知れない。

それに、「日本を愛する心」なんて今更煽る必要もないくらい、
中島みゆきも歌っているように(誰も知らないだろうけど)
今でも日本は日本と名のついていないものには、いくらでも冷たくなれている。
難民を本国に強制送還したり、海外で事故があっても報じられるのは日本人の安否ばかり。

こんな中で愛国心なんて煽ったら、日本がよけい排他的になってしまう可能がある。
ていうか、煽り方が下手で痛い目にあっておいて、
21世紀にもなってまたこんなことやろうなんて、時代遅れもいいところ。
恥ずかしいったらありゃしない。

好きになって欲しいなら、
「僕を愛してください」ってストーカーするんじゃなくて、
愛されるような仕組み作りをしていくほうが良いなんて中学生でも知ってるのにね。

投稿者 POE : Mai 12, 2006 04:15 EM

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