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Mai 12, 2006

RUSS

RUSS(ルス)。卒業前の高校生たちが1ヶ月弱にわたって繰り広げるお祭り騒ぎのこと。仲間とバスを借し切って、同じユニフォーム(何を勉強したかによって数種類のパンツがある)を着て、一ヶ月間ノルウェー中を騒ぎまわる。

殆どの高校生が参加しているようで、昼も夜も彼らをどこでも見る。夜は幾台ものバスが広場に集まって、歌って踊って花火打ち上げてと、言葉どおり羽目をはずしたお祭りを毎日繰り広げている。もう100年も続いている社会的に認知された行事。基本的にやり放題。

きわどいいたずらをすればポイントをもらえるポイントシステムなんかもある。警官にキスをするとか、先生の家の庭で寝るとか、24時間後ろ歩きだけをするとか、48時間不眠不休とか、ルールに応じてポイントがもらえる。(ポイント集めても割引とかはないけど)

ウィキペディアさん
BBC
写真

文化人類学によると、社会的な位置の変更には通過儀礼がともなうといわれてる。通常の時間から、非日常のリミネールの期間を通過して、ふたたび通常の時間に戻る。この通過儀礼の最中は、社会の日常性や規範からはみ出した状態におかれる。

この図式は色々なもの、たとえば旅先の旅行者にも留学生にも当てはめられるものなのだけど、子どもが大人になるときに行わていれた、前近代じゃどこにでも見られるような通過儀礼(かつての日本の祭りや、アフリカだかの大人になるために求められるバンジージャンプ
)をもはや見つけることは難しい。

日本で考えてみればわかるけど、誰もがなし崩し的に、なんとなく大人になっていくでしょ?成人式は形骸化、大学はワンダーランド、就職後も下手したら親元、なんていう状況で、少なくとも社会的な通過儀礼にあたるものはない。

徴兵制がある国では、それが(男にとっては)通過儀礼たりうるかも知れないけど、人々がこれだけ細分化した世の中で、誰もが参加する子どもから大人への通過儀礼なんてものはなかなか考えられなかった。

と思ってたら、このノルウェーのルス!あからさますぎるくらい教科書的な通過儀礼のコンセプトに当てはめることが出来る、これは何だって話ですよ。でも、もしかしたら、他のくにでもあるのかな?ちょっと違う気もするけどこんなのはあるし。日本でもやったらいいのに。出生率上がるかもだよ。

投稿者 POE : Mai 12, 2006 01:20 FM

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