Januar 12, 2007
OM JA***
よく見ていた空が
滲んでいく世界になじんでいく
送電塔の先の地平は
多くをもはや必要としない
ただゆるやかな終わりを早めるように
やさしい影狩りがこのくにでは続く
回送バスの行き先表示だけ
やけに目立つ駅前
ひとり席を立つ頃
せめて、覚えていてくれるかな
あふれていたはずの笑顔
猥雑が重なっていた駅裏
美しいものなんて何一ついらなかった
信じたい未来なんて何一ついらなかった
あきらめようにも
目を隠そうにも
歩道橋をわたるたびに
タクシーに乗るたびに
世界はただ流れていた
忙しなく 忙しく
通じ合わない笑顔が
街に紛れていた
守るものなんてなかった
守る必要なんてなかった
何年にもわたったパレード
矛先が変わることなどあり得ないと信じきった君たち
望んだ通りの美しさは手に入ったのかな
光の少ない夜なのに、なぜか星が見えない
もうすぐいつもの時間
鐘の音がここからでも聞こえるんだろう
投稿者 POE : Januar 12, 2007 05:51 EM