チュニス(3)
チュニスにはメディナと呼ばれる旧市街がある。聖書に出てくるメディナかと思ったらそれはサウジアラビアだった。
チュニスのメディナは魔窟のような感じだ。フランス門を越えて一歩踏み込むと「日本人か、中国人か。俺の店をのぞいていけよ」という魔手があちこちから伸びてくる。どうもこういうのは苦手だ。基本的にはみんな親切な人たちなんだろうけど、うっかり話を聞いていると「ガイド料を寄こせ」と言ってくる(実際にカルタゴでやられた)。
カルタゴはチュニスから電車に乗って20分ぐらいのところにある。カルタゴと言えば、森本哲郎の『ある通商国家の興亡』という本を読んだことがあるが、すっかり忘れてしまっていた。現地の人がPunicと言っているのも最初は何かよく分からなかったが、古代カルタゴ人のことらしい(フェニキア人とも言う?)。カルタゴ人は子供を生け贄にしたという伝承があるらしく、トフェという子供のお墓がたくさんある遺跡がある。
出張前にもっと勉強してくれば良かったが、後の祭り。できるだけいろいろなものを見ておいて、後でもう一度勉強しよう。